「何かさ、初めてだよね、こうやって3人揃って普通にテレビ見てるの。」

思い返してみれば、こんな普通のことですらしたことがなかった。


「あー、言われてみればそうだなー。イブがいっつも冷たいから、こうやって3人揃ってソファーに座ることもなかったし」

そうそう、イブはいつもあたしたちの隣にはいなかったし。冷たかったからなー。


「バカか、お前ら。俺みたいなのが普通の死神なんだよ。この状況だって、普通じゃねぇよ。」


あぁ、そっか。

これが普通じゃないんだよね。確かに、考えてみれば変な光景だろうなー。


「こういうのも悪くないだろ」

「まぁな」

普通じゃないけど、悪くないらしい。


「3人で座るの初めてだから、今まで気がつかなかったけど、このソファーちっちゃいんだねー」

ギュウギュウ過ぎて、座ってる感じしないよ。1人で座ると、大きすぎるくらいなのにな。

「誰か床に座れよ」