「………え」 大学生の兄ちゃんがそんな顔したって、全然可愛くないし! ……と叫ぼうとしていた私は、咄嗟にその言葉を飲み込むんで時計の方を見た。 視線の先、目覚まし時計が示す現在時刻は―――7時50分。 ……いつも家から出る時間の、10分前だった。 「え?あ、ぁあああっ!?」 「な?ヤバめだろ?」 思わず叫ぶ私に、へらりと笑ってそう言う兄ちゃん。 いや、正直『ヤバめ』どころの騒ぎじゃない……。 遅刻の危機だよ!危機!!