兄ちゃんが、消えかかっていた結界を修復する。


それを見た私は安心し、体の力を完全に抜いた。


さっきまで熱く感じた血が、今は氷のように冷たく感じる。


両手も両足も、


すでに感覚が無くなっていた。


「神無……神無っ!!」


必死に呼び掛ける龍真の声が最後に聞けて嬉しいな。


「神無!!死んじゃ嫌ぁっ!!」


血まみれの私を見て絶叫する瑠美にはまだ謝れてないや。





……ごめんね。