ぱっと視線を上げると、
「……急に通路で立ち止まるな」
そう言って前を向く龍真君。
私の方は見ない。
でも龍真君の手は、私の手を包んでる。
二人の間で揺れてる、繋がれた私の手と龍真君の手。
そのうち、龍真君が前に足を踏み出して、私もつられて歩き出す。
……心の中はまた、あったかい。
淋しくない。
……………あぁ、そっか。
「ね、龍真君」
呼びかけると、少し先を歩いてた龍真君が私を見る。
「手、ずっと繋いでていい?」
「…………」
「……嫌かも、しれないけど」
「……別に。好きにしろ」
そう言う龍真君は、やっぱり少しそっけない。

