―――気づくと、 白い天井が真上にあった。 (あれ……あたし……?) かすむ意識を何とか集中 させて、辺りに散らばってる 感覚を拾い集める。 体に徐々に実感が戻って きて、今、自分は布団に 横になってるんだってわかった。 そして目線を動かすと 見える、何となく知ってる この風景は……。 「――お、起きたか。 1年5組 広崎 あんず」 ちょっと低めの男の人の 声がして、その声の主が ニュッと顔を現した。 「神谷先生……」 _