(あんず…………)



「夢じゃないよ」



――そう。夢じゃない。



オレ達はこれからもっと
お互いを知って、もっと
もっと、近づいていくんだ。



そのためなら、オレは
どんなことでもするぜ。



正体を隠してても、顔を
見せられなくても。



――オレは絶対に、あんずの
最高の彼氏になってやる。



「よろしくな。これから」



夕暮れの中、もう一度
あんずの細い体を抱きしめて。



オレはその額に、そっと、
小さな小さなキスをした――。





         ★END★



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