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「マジかよ、オイ………」



電話を切ったオレは、短く
呟いてそのまましばらく
放心状態だった。



太郎としてあんずと逢瀬を
重ねたのは、4,5回くらいか。


気軽に世間話をする顔見知り
程度にはなれたかな、なんて
思ってたところだった。



それが、亜希の言葉が
きっかけになったとはいえ、



「――あんずが、オレを
好き……?」



声に出して言った後に、
バコンッと心臓が異様な
までに踊る。



――なんて威力のある
言葉なんだ。

なんか、クラクラ
しちまいそーだぜ。


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