―――あれ。 あれれ? なんかあたし――おかしいかも。 なんかトクントクンって、 少しだけ鼓動が速くなってるよ? (どうしたの? あたし……) トクトク、トクトク。 秒針のように落ち着かない 音を刻む、あたしのハート。 (なんで………) 待ってよ、ねえ。 これじゃあ本当にあたしの 心……太郎さんを、意識 してるみたいじゃない。 「やだ……。まさか、 ホントに――?」 声に出して呟いて、あたしは 高鳴る胸を、服の上から キュッと押さえた……。 ★★★★★ _