そう言って受け取ると、
あんずは『いいえ』と
カワイイ顔で微笑む。



(なんか夢みてーだな。

あんずとオレが、こんな
ふうに会話してんなんて……)



ホントはオレ、数時間前
までお前と一緒に授業
受けてたヤツなんだぜ。

セーラー服着てさ。



(でもま――いっか――…)



今のオレは、“ソイツ”
じゃないんだから。



白雪姫を起こす王子様には
なれなかったけど。



もう少しくらい――


姫との秘密の時間を過ごし
たって、いいよな――?





     ★★★★★



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