「…………!」



言われて壁際の先輩を見た。



憎しみを込めて男の人を
睨む瞳は――もう、あたしの
好きだった人のものじゃない。



「―――帰ります」



あたしは荷物を掴んで、
男の人に抱きかかえられる
ようにして、その小さな
部屋を後にした――。





     ★★★★★



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