[完]愛しいキミは♂大親友♀ 〜女装男子の悩める日々〜

そんなあたしの視界が、
黒く陰った。



違う……これは影じゃない。



黒い服の人があたしの所へ
来て――あたしを、抱え
起こしてくれてるんだ。



「え――あなた――…?」



さっきと全く同じセリフ。



だって他に言葉が出ない。



あたしを起こしてくれたのは、
黒い服にサングラスと帽子で
顔さえよく見えない、あの
男の人。



(どうして、この人が………?)



「大丈夫か?」



彼の言葉に、あたしは
ハッと我に返った。



そうしてようやく理解する。



この人があたしを助けに
入って、先輩を殴り
飛ばしたんだって。


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