レオくんは早々に何かを書き、私に見せた。




“教科書を俺に貸して、
自分は吉岡と見ろ”




『え……!?』



思わずレオくんを見てしまった。




レオくんはずっと黒板を見ていて私と目を合わせない。




…どうしよう…




「―桐島、どうした?」



私の異変に気付いたのか
那智くんは私に訊いてきた。




『あ…いや…。

―あのさ、塚本くんに教科書貸すから一緒に見てもいい?』