「だから…ねっ!

絶対助かるから…だから…ッ!」




彼女はもう涙で顔がぐしゃぐしゃだった…。


触れる彼女の手が温かく感じる…。



だが俺の体は徐々に冷たさが…

冷たくなると同時に彼女の手の震えが増していくのが分かった。




「茜……俺…お前に会えてよかった…。

あの公園での出会いがなければ…
一緒にいる事なんかなかった…」




「れ…ッ!」



「茜――前…向いて歩けよ?」



「え…?」



ハッとする彼女に俺は微笑むと…



頬に触れていた手が力なくズルリと落ちた……。