「あ……」



彼女が気付いた時には

既にトラックはもう間近に…



怖くて動けなくなった彼女はギュッと目を強く閉じる。



「危ねぇぇーッ!!」






―キキイィィィッ!!―




急ブレーキのアスファルトとタイヤの擦れる音が


…悲鳴のように聞こえた。



彼女が感じたのは鉄の塊が当たる感触ではなく…




“温かいぬくもり”と“小さな呻き”だった…。




彼女はサーッと青くなるのが分かった。



急いで見ると……




「……ッ怜央――!?」





彼女は俺に抱き抱えられるように包まれていた。