―……


那智は茜を送ってからすぐに家に帰った。


ドアを閉めると、

素早く着信履歴から番号を探し、かけた。





【……ハイ】



「オレだけど、どうしたんだよ?

今日は予定があるって…」

【――計画失敗】




声の主は震える声で那智を遮る。



一瞬固まる体。



「…どういう事だ」



【言った通りよ。

計画は失敗に終わり、
彼はまだ諦めていない】



「一体何があったんだ?」



【あたしに目をそらさずに重々しく言ってきたわ。

“この気持ちに嘘偽りはない”ってね】



那智は奥歯を噛み締めた。