「あの子は…まだ認めてないのよ…」



『…何をだ…?』



「それは時が来ればいずれ分かるわ。

答えは…神様しか分からない…」



言いたくなさげに言う結崎に俺は手を差し出した。




「?」


『短い間…ありがとう…

そして…ごめん…』



「握手するんだったら…抱き締めて欲しい…」




俺は力なくした結崎をそっと腕の中に入れた。


結崎は小さく泣きながら俺を強く抱き締める…。




『今までありがとう……

“沙耶香”』




その場にしゃがみ込んでしまった結崎に背を向けて


俺は出口へと向かった。