「アイツだけには……
どうしても渡したくなかったんだ…。

どうしても…ッ」




私は悲しそうに言う姿になぜが心が痛んだ。



この人が…だったらって…



私はこの空気に戸惑うレオくんの胸にもたれた。


鼓動が速く動く…




「お、おいアカネ…?」





『私…レオくんが…』



今の心境を言おうとした



――その時…。





「…う…――ッ!!」



『レオくん!?』



レオくんは頭を抱えてその場に座り込んだ。


様子が……



『大丈夫、レオくん…?』





―怜央、怜央…!!
しっかりして……!!―