〜Akane side〜



『那智くん、話って何?』



私たちがいるのは屋上。




屋上に行くのはいいが、

肝心の那智くんはフェンス越しからずっと空を眺めている。



『もうじき授業だから…』

「オレ――…」




私の言葉を遮って那智くんは口を開いた。



振り返るその表情は

何かを決心したような感じがした。




「ずっとオレは…誰かのために…他人のために色々やって来た」。

学級委員やら何やら―…。みんなが面倒くさそうな役目だってやってきた。



それだけじゃなく…
“思い”からも……今まで逃げてきた」