「だから塚本くんも

誰かを想うようになったら自分の気持ちに正直になりなよ!」



『え……』



「普通そんな事訊いてきたら何に悩んでるか分かるよ!」




『そうなのか…』



「相手は誰なのかは訊かないけど
“後悔先に立たず”だよ!

…ッつ…塚本くん!?」





俺はいつの間にか教室を飛び出していた。



行き先はもう決まってる。




「クスッ訊かなくても誰に“堕ちてる”か分かるわね」



ユウコさんが頬杖ついて笑っていたのに


俺は気付くはずもなかった。