『その息子さんの名前は…』




「―……“柏木怜央”」





あぁ…そうなのか…。




女はタンスから写真を出して見せた。






“俺”だった……。





『…“母さん”……』





“俺が”




“柏木怜央”だったんだ。




「怜央…ッ!」



母さんは…涙を流しながら抱きしめた。




やっぱり知っていた。
この…温かいぬくもりを…




やっと…この痛みが何なのか分かったよ。




心のどこかで思い出したかったんだ。