「息子がまるで帰ってきた
みたいだわ…」




『息子?』




俺は食べる手を止めて訊いた。




「私…夫から暴力を受けてて、
逃げるために息子を捨てて逃げてしまったの…」





お茶を淹れるその背中が



妙に寂しく見えた。




『息子さんは…どういう人だったんですか?』




「すごく自己中だったわ。
母親の私でも思ったほどにι

でもホント照れ屋さんで
可愛いところもあったの」





頭痛がまた始まった。





でも、俺は―……




ちゃんと逃げないで向き合う。





―父さん!母さんをぶつな!―





―怜央、危ないから部屋にいなさい!―





鮮明に映し出される。




あぁ…この記憶は…