静香さんは俯きながら
手帳を出した。




開いた時に見えた写真には


無邪気な子供が写っていた。





「“あの子”が忘れられなくて」




『静香さん…』




「私…あなたたちの前から
消える時…

“あの子”も一緒に連れて
行こうと思ってたの…」




静香さんは涙ながらに話し始めた。




「私は…“あの子”が忘れられないの。

たった1つに宝物だったから…」





私と同じ気持ちだ……




この人も……私と同じ



“過去に苦しまされてるん”んだ…。