―少しすると、校舎から人がたくさん出てきた。



この中にあの女はいるのか



『…いた……』



俺は見覚えのある上に団子で束ねた髪を見てすぐに動いた。



『―あの、ちょっといいですか?』




いつもの笑みで話しかけると、女は一瞬固まった。



「あ…あなた…ッ!!」




そして“初対面”のはずの俺に信じられないと言うような顔をして



口元を手で覆った。




…ゆっくりと口が開く。






「あなた―…




怜央…な…の…ッ!?」