家に帰ってからは何もする気になれなかった。



「アカネ…」



そう呼ばれる度に

私は胸が苦しめられる思いだった。



『“あの人”って―誰?』



そういえば…レオくんもいたんだよね。

聞かれちゃったよ…




“あの人”の存在を…。




あまりにしつこいから…


私は『関係ない』って言ってしまった。



名前を呼ばれる度に私の胸は痛みを増し、

“あの人”を思い出す。




私は堪えきれずにベッドの中で泣き続けた。