花と言葉と愛情と

「う、海でも見に行かないか?」

私の方を見ずに彼は消えそうな小さな声で言った

『うん!行きたい』

私はなるべく自然にそう言った

彼はやっと私と視線を交わせ
優しい瞳で微笑みそっと車のエンジンをつけた

海までは長くはかからなかった
彼とのドライブが楽し過ぎて
時間が経つのが早かったのかも

彼は無口で無愛想だけど
誰より優しい人だ

私はあなたを失う事なんて
考えてなかったよ
考えたくなかったよ