子うさぎにお月様を

いつも会える、あの人。
図書館で働いているであろう…あの人。

あの人を思い出すだけで胸が変に締め付けられる。

それが、なんだか心地よくて。



「あー…。ダメだダメだ…」

胸に手を当ててみる。

いつもより心臓の動きが早い。

こんな感覚は初めてだ。
顔が火照る。

私は気分を変えるために面白そうな本を、探すために席から立ち上がった。