子うさぎにお月様を

「あっ。そだ…」

望月さんはジーンズのポケットから何かを取り出した。

「どうぞ。手を出して?」
言われた通りに私は手を出す。

コロンと渡されたのは、可愛い柚ハチミツの飴だった。

「こんな物ですが…。芥川 龍之介の本は俺が取りますよ」

「えっ…あ…。悪いですよ!!私、一人でできます!!」
「あんな高い所から転んだのに…?」

「そ…それは…」

「転んだのに…?」


「よ…ろこんで、お願い致します…」

「はい。喜んで」