「まじで!?」

今度は私が目を丸くする番だった。

「いいよね!羅生門とかさ!!国語の教科書にのってるんだよ!」

正にマシンガントーク。
「鼻とかさ!夏目漱石に絶賛されたんだよねー!まじで面白い!」

「あ…あの…」

私が声ををかけると、気が付いたのか… ピタリと動きを止めた。

「やべ…。ごめんね。一人で語っちゃいましたね」

「そんなことないです。私も好きですから」

「そうですか!君…名前は?」


「椿…石田…椿と言います」