間抜けな声を出してしまったことに酷く後悔。

そんなことを思っていると大きいソファに下ろされた。

「氷をいれた袋です。どうぞ」

渡された袋を頭の痛いところに当てると心地が良かった。

「ありがと…ございます…」

「良いんですよ。それにしても、どうしたあんな高い所から…。なんの本を取ろうとしたんですか?」

「えと…」

女子高校生が読む本じゃない。


「芥川…龍之介…の…」

モゴモゴと小さく言うと…あの人は目を丸くした。

あぁ、やっぱり…。