「立てますか!?」

あの人は倒れている私に目線を合わせてくれる。
こんな至近距離から話し掛けてくれるなんて…嬉しい。

ああぁあ…。

眼鏡がないから、ほとんど意味ないじゃん。

ぼやけてる…。

「こ…んなの…大丈夫ですよ…」

ゆっくり上半身を起き上がらせる。

頭のくらくらが消えない。

「大丈夫じゃないじゃないですか!」

焦ったような声を出すあの人は突然、


「えっ!?」

私を抱き上げた。

これは正に、お姫様だっこっというやつ。