『――間もなく電車が参ります。危ないですから白線の内側に――…』 聞きなれたアナウンスが流れる。 そして電車が風を切って少しずつ速度を落としながら、俺等の前で止まる。 扉が開くと、吸い込まれるかのように人々が中へ入っていく。 その人混みの中、彼女のポケットから【何か】が落ちた。 その【何か】に気が付かず、彼女は電車へ入っていった。 拾うと、その【何か】の正体は生徒手帳だった。 「あの――…」 落としましたよ。そういう前に、彼女の姿は見えなくなっていた。