「でもさ~何で連れてくる必要があるんだ?」
そうだ。
たかが女を連れてくる必要が何であるんだ?
平助の質問に総司が答えた。
「それはちょっと不思議な格好をしてたんですよ」
「不思議な格好?長州の間者か?」
長州の間者だったら殺さなきゃいけねんじねぇのか?
「僕もそう思って連れてきたんです。しかし…」
「しかし何だよ総司?」
何も言わなくなった総司の代わりに今度は土方さんが説明する。
「俺が『何処から来た?』って聞いてもなかなか答えねぇ…だから刀を女の首にあて『言わねぇつもりなら長州の間者と見なして斬る』って脅した。そしたら大概は皆命乞いして言うと思ったんだが…あの女は…『斬れば』って言ってきやがった」
はぁ…?
何だよその女?
「その女の目はここを見ているようで見ていない。何もかも諦めたような目だった」
土方さんは思い出すように遠くを見詰めた目になっていた。
「それでその女はどうするんだよ?」
平助が土方さんに問う。
「それは近藤さんがここに住んでいいと言うんだ…」
「近藤さんいいのか?ここは女子禁制だぜ?」
「いいんだ。その女は一人で四人もの浪士を倒した。住むところもないと言っていたし」
