ブンッ、ブンッ、ブンッ、ブンッ…


木刀が風を切る音が聞こえる。


ブンッ、ブンッ、ブンッ、ブンッ…


俺は素振りをしながら昨日のことを思い出していた。



―――――――


月が綺麗に見える夜。


「今日は、月が綺麗ですね?」


今日は、一番隊と十番隊が巡察の日だった。


総司達の隊と一緒だった。


「そうだな」


「何か起こるような気がしませんか?」


総司が空を見上げながら言ってきた。


「起きるって何がだ?」


俺も総司と同じように空を見上げながら言った。


「さ~?」


「さ~?って…」


適当だな…。


そんな会話をしながら京の町を巡察していると…


何やら大通りが騒がしい。