さっきまで何も無かったはずの空間に、建物が見えてきた。
そこには、周りの家より大きい家があった。
その家の前に、一人の少女の姿があった。
その少女暫く見ていると、家に入ろうとしない。
暫くの間見ていても…
中々入ろうとしない。
―――そう…
そのまま動かないで。
夢の続きを見せないで…
見たくないんだ。
見たくないんだこんな夢。
思い出したく無いんだ。
忘れたいんだ。
けど、思い出しちゃう。
忘れられない。
だからせめて、
夢の続きだけは見せないで。
しかし、私の想いなど届くはずがなく。
家の前で立っていた少女は、家の中へ入っていった。
駄目…
行っちゃ駄目…
