ありがとうございました、ともう一度お爺さんにお礼を言い、私は店内を見渡した。
沖田さん達を見つけると私はすぐさまそちらに向かう。
しっかりと桜華を持って。
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原田side
「っ沖田さんっ原田さんっ!」
店内全体に響き渡る声を出して俺たちのところに来た桜。
心なしか足取りが少し早かった。
「ん?どうした?」
いつもと様子が違くて思わず驚く。
「あの、刀決まりました」
そう言って桜は手に抱えていたものを俺たちの前に出してきた。
「良かったですね」
総司が笑顔を向けて言う。
「はい!」
すると、桜もほんの少し嬉しそうに答えた。
…余程嬉しかったんだろう。本人は気がついていないようだが顔が綻んでいる。
桜を見てると、俺も初めて自分の槍を手にしたときの嬉しさをふと思い出した。
…すげぇ、嬉しかったな。
ああ戦えるんだ、国のために。と。
少し思い出して、一人でつい笑ってしまった。
「桜、大事にするんだぞ」
「はい!」
ギュッと刀を握りしめるその姿は、いつも落ち着いて冷たい雰囲気はなく、柔らかかった。
「そんじゃっ!帰るとするか~」
店の外に出ると、空はすでに赤く染まっていた。
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