~時を越えて~ 時を越えた少女と桜の木の下の誓い




「俺に、やらせてください」


お爺さんの話を聞いて、私はさらにこの刀に興味が湧いた。


真っ直ぐに刀を見詰めたあと、お爺さんをみる。


「仕方ないのぉ」


私が引き下がらないと悟ったのか、台を持ってきてその刀を壁から外した。


「ほれ」


差し出された刀を受け取る。


「(これが妖刀…)」


受け取ってわかる。


刀は女の私でも振り回せそうな丁度いい感じの重さ。


だけど、なんだろうか。


纏っている、気がずっしりとしていて圧倒感があった。


「………」


そっと、柄の部分に手をかけ握り、恐る恐るゆっくりとひいてみる。





スゥ――――――…




「!!!」


後ろの方で、お爺さんの息を飲む音がした。


『妖刀』は糸も簡単に抜けたのだ。


徐々に、徐々に抜いていく。


そして、完全に鞘から抜けた『妖刀』は錆びてなんかおらず、それどころかついさっき手入れされた様にきれいだった。