私はお爺さんの後ろについて行った。


「君はいくつかね?」


「歳は17です」


「ほぉ、お若いのに何故刀を握る」


「…昔から剣道をやっていたので。それに俺は強くなってみんなの力になりたい。」


そう言えば、お爺さんは「そうかい、そうかい」と言って立ち止まった。


そして、目の前に飾ってある刀を手に取り私に差し出した。


「この刀はどうかね?」


私は差し出された刀を持ってみた。


長さは私にピッタリだったが、


「…すみません。いまいちしっくりときません」


刀をお爺さんに返す。


「ほぉー…」


お爺さんはそれを受け取り元の位置に戻すと再び店内を歩きだした。


私はその後ろをついていく。


気を悪くしてしまったかな?


折角選んでもらっているのに…。


「なんか、申し訳ありません…」


ボソリと謝罪の言葉をお爺さんの背中に呟いた。


「気になさんな、刀は慎重に選ぶもんじゃからな」


聞こえたみたいで、そういってくれたお爺さん。


いい人だな…。


「気のすむまで見てったらいいよ。何かいいのがあれば言ってくれ。ワシも探してくるか」


それに頷き、再び店内を歩きまわった。


「んー…、」


どの刀を見てもいまいち…。


ちらり、外に目を向ける少し赤くなっていた。