私が死ぬはずだったのに…
まだ生きていなくてはならないのか。
早く死にたい…
人が目の前で死んだのに私は何て呑気に考えているのだろう。
そんな事を思っていると
「あなた、大丈夫ですか?」
羽織を着た男が手を伸ばしてきた。
「大丈夫です」
そう言うと桜は男の手を振り払い立った。
「助けてくれて有り難うございます」
「いえ、お怪我は有りませんか?」
お礼を言うと男は微笑みながら言ってきた。
「無いです。それじゃあ」
制服に付いた砂を払いこの場を去ろうと歩きだした。
面倒な事には捲き込まれたくないしね。
「あっ!あのっ、ちょっと待ってください!」
