――――――――…


「桜さん!桜さん!!向こうの方に美味しい甘味処があるんですよ!?行きましょう♪」


そう言った沖田さんは私の右肩を掴み、ぐいぐいと引っ張ってくる。


い、痛い…


肩が痛い…


沖田さん力強すぎ。爪が食い込んできそうだ。


てか、私男装しているが一応女なんですけど…


しかも掴む場所が肩って…


せめて、腕を掴もうよ…


「はぁ…」


溜め息が出てくる。


(まぁ、兎に角。沖田さんは置いといて…)


私は左の方へ視線を向ける。


(何で?)


何故こうなる?


私の視線の先にいるのは沖田さん…


ではなく、


「ん?どうしたんだ、桜?」


何故か原田さんがいる。


私は今、沖田さんと買い物をしに今日の町を歩いている。予定だった。


だけど、何故か沖田さんと…


原田さんと、三人で買い物をすることになった…。


「いえ、何でもないです」


私は、原田さんの視線から逃げるように沖田さんを一瞥し、遠くの方を見詰めた。