そんな事を思っていると襖が開き、土方さんと近藤さんが入ってきた。
「二人とも御早う」
原田さんが挨拶をすると「おぉ!御早う」と近藤さんらしい返事と「あぁ」と素っ気ない返事が返ってきた。
皆も続いて挨拶をしていく。と。
「御早う御座います、近藤さん。あれ~?今日は随分と起きるのが遅かったんですね?土方さん」
沖田さんが嫌味っぽく遅れて来た土方さんに突っ掛かる。
「あ゙ぁ?ちょっと近藤さんと話していたんだよ」
「何か大切な話があったんですか?」
沖田さんは土方さんを無視し、近藤さんに問いかけた。
「………」
「あ、あぁ…ちょっと歳と話し合いをしていたんだ」
近藤さんは隣で静かに怒りを露にしている土方さんを気にしつつ、沖田さんの質問に答えた。
私には関係のない話だと思いご飯を食べ始めると不意に「桜君」と呼ばれた。
「はい?」
私は動きを止め声を発した主、近藤さんの方に顔を向ける。
「後で話があるんだが…私の部屋に来てくれないか?」
「…はい、分かりました」
「それと総司もな」
怒りを抑えているせいか、声がほんの少し震えていたような気がした。
「え~僕もですか?」
面倒くさいなぁと言う沖田さん。
こんな沖田さんを見ていると本当にこの人が一番隊組長沖田総司なのか?と疑ってしまう。
けど直ぐにその考えは変わる。
あの日、入隊試験の日に沖田さん手合わせをした時、正直なところ一瞬だけ怯んでしまった。
純粋なほど真っ直ぐな殺気を向けられたからだ。
その殺気は確かに、一番隊組長の名に相応しいものだった。
沖田さんにまた手合わせをしてもらいたいな…
「お前なぁ…副長の言うことぐらい聞け!」
「えー」
子供の様に口を尖らせる沖田さん。本当に子供みたいだ…
「こら、総司。歳をあんまり困らせるんじゃないぞ?」
一向に二人のやり取りが終わりそうにもないので、近藤さんが沖田さんに優しく怒った。
すると沖田さんは「近藤さんが言うなら仕方がありませんね。行きますよ、副長さん」と、眉を下げながら言った。最後の方は、やっぱり嫌味っぽかったけど…
「はぁ…」
土方さんは短い溜め息を吐き、近藤さんと一緒に自分の席に向かって行った。
そして、再び食事が再開した。
