そして私は掴まれたところを自分の手で覆うように抑え、そのまま横を向いた。
原田さんと目線を合わせることが出来きない。
それに、またあの笑顔を向けられたら私はどんな表情をすればいいか分からなかったからだ。
「桜?」
そんな私を不自然に思ったのか名前を呼ぶ声が少し低いような気がした。
「はい…?」
しかし、私はそんな事は気にせず横を向いたまま返事をした。
原田さんの何か強い視線を感じながらも。
「お前…このま「あぁー疲れましたねー」
原田さんが何か言い出した時、廊下の方から聞こえてきた何とも言えない陽気な声でそれは遮られてしまった。
誰だ…
今から何か聞こうとした時だというのに…
私は原田さんが言おうとした話の続きが気になったが廊下の方に目を向けた。
原田さんも私と同じように廊下に目を向けた。
私達の目線の先にはこの陽気な声の持ち主…
沖田さんがいた。
「…あれ?桜さんと原田さん、二人して何してるんですか?」
沖田さんは私達に気づき声をかけてきた。
「おぉ、総司。今桜が転けそうだったんだよ」
そう原田さんは言った。
てゆうか、「転けた」とか一々言わなくても…
しかも、誰のせいで「転けそう」になったんだか。
