私が沖田さんの誤解を解いてから数日がたった。


トントントントン…


「ふぁ~…眠い…」


私は小さくあくびし眠い目を擦りながら、隊士の皆さんが食べる朝御飯の支度をしていた。


ここでの一日の始まりは早いから、朝早くに起きて支度しなければいけない。


「はぁ…」


私は溜め息を吐きながらも、料理を作っていく。


あぁ


そうそう。


何で私がこんなことをしているかと言うと、


私は隊士でもあるが小姓でもあるから。


大体の小姓の仕事は沖田さんに教えてもらったし、最初はなれない場所で少し不安だったけど家事全般はできるから苦ではなかった。


私が"前"住んでいた時代では自分の事は全て自分でやっていたし。


むしろ、前住んでいた時代での生活の方が苦だったから…


まぁ、そんなことより。


皆さん、朝早くから稽古があったりするからよく食べるんだよな…


「だからと言ってこの量は…」


私は目の前の食材の多さに圧倒されながらも慣れた手つきで次々にそれを切っていく。


トントントントン…


屯所内にある台所に包丁の軽快な音が響きわたる。


「………」


手元で料理がどんどん出来上がっていく。