「ッ―!!」
ギュッ――
そんな桜さんを見たら今までの事なんてどうでもよくなってしまった。
不安定に宙で震えながら誰かの温もりを待っている手を僕は掴んだ。
「ッ~………」
すると、さっきの事が嘘のように桜さんは静かになった。
「スゥ……スゥ……スゥ……スゥ…」
それから数分経つと、苦しそうな寝息ではなく規則正しい寝息が聞こえてきた。
震えていた体も落ち着いてきてる。
顔色も良くなっている。
「はぁー…良かった」
僕は本日何回目か分からない溜息をした。
…桜さん、一体どんな夢を見ているのでしょう?
泣くほど辛い夢を見ているんでしょうか?
「スゥ……スゥ……スゥ……」
隣にいる桜さんの瞳から次々と涙が溢れてきている。
僕はそっと桜さんの涙を人差し指で拭った。
「…桜さん……」
ギュッ――
僕は桜さんの名前を無意識に呼んで繋いでいる手に力を入れていた。
