確か…


桜さんはこの時代に来る前は…平成という時代にいたんですよね?


…そこで何があったんですか?


僕は隣で寝ている桜さんに視線を向ける。


「………」


表情が辛そう。


「…ぅ…スゥ……ぅ…」


顔色は最初よりはよくなったがまだ青い。


時折、苦しそうな声が聞こえる。


「………」


僕はそっと桜さんの頬に手を伸ばす。


「…うぅ……」


桜さんの魘(ウナ)されているような声が聞こえた。


ピタッ――


僕は伸ばしていた手を止めた。


「はぁ…何やってんだ、僕は…」


さっき、桜さんに手を振り叩かれたばっかりじゃないか…


桜さんに叩かれた右手を見る。


ズキッ―…


胸が痛んだ。