じゃなきゃ、沖田さんが行ってしまう。


「沖田さん!」


私は立ち上がり急いで沖田さんに駆け寄ろうとした。


「沖田さ…」


グラッ――


あれ?


何か目眩が…


視界が急にぐらつき私はその場に座り込んでしまった。


早く…


早く誤解を解かなくちゃ…


目眩何かで座り込んでいる場合じゃない…


私は立ち上がろうと足に力を入れる。


しかし、力が入らない。


その間にも沖田さんは行ってしまう。


私、早く立ってよ!


精一杯の力を入れ、やっと立てる事ができた。


「沖田さん、待って下さ…い…」


『黙れ』


また、頭の中を昔の記憶が駆け巡った。


「ッ!」


バタリッ―――


私は倒れてしまった。