戦っているときの桜の表情は酷く冷たかった。


しかし、儚げで綺麗だった。


戦っていている姿は凛としていて動きも速いのにとてもしなやかで舞姫のようだった。


華奢な体つきなのに信じられなかった。


総司と試合した後の桜は心なしか少し明るかった。


笑いはしなかったけど…


――――


ブンッ、ブンッ、ブンッ、ブンッ…


木刀が風を切る音が庭に響く。


もし、あの時…


総司が一人で行動をするって言っていなかったら…


どうなっていたんだろうな?


もしかして、桜は俺らと会わなかったんだろうか?


そう考えると不思議でたまんない。


多分、あの時


総司を止めていたとしても桜は何らかの形でここに来るような気がする。


こんな事思っている俺って可笑しいのか?


はぁ…


本当に不思議だな?