人なんて

 

「そうは言ってもね…」

俺は負けんとばかりに近付く。

「来ないで…来ないでください!!」

凛子は慌てて椅子から立ち
後ろに逃げる。

(いい加減俺くらい馴染んでくれても良いのに。)

そんな事を思いながら、
後ろの教師が使う机の下に
丸くなっている凛子を見る。

普通なら諦めるだろうが
俺は諦めが弱い。
だから大袈裟にため息をつきながら
丸くなっている凛子に近付く。


「来ないで…。」

今にも泣きそうな弱々しい声で
俺に言う。

「……。」

何でここまで俺や他の人にもそうだが
人を嫌い怯えてるのだろうか、
それが知りたいと思ってしまった。