「なんで?」
「理由なんてないし
。あんたと友達だっ
た覚え、あたし、全
然ないから。あんた
が勝手に親友とか呼
んでただけ。まじ、
うざかった。ずっと
」
息が止まる。言葉だ
けで死んでしまいそ
うになる。なおはま
ばたきを忘れ、凍り
つきそうな目で、
ぼんやりこのみを見
つめる。彼女は虫で
もふり払うみたいに
して、うしろをむい
た。
梅雨が近く、外はも
うむし暑いくらいな
のに、体が冷えてい
く。
ずっとうざかった
……。嘘だ。
ドングリを、にぎ
る。
でも、本当かもし
れない。このみは優
しいから、嫌なこと
があっても笑ってご
まかしちゃう性格だ
し、あたしは今まで
自分の好きなようにやってきたし……。



