゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


だっさい。誰かが小

さくつぶやき、視線

をかわしあい、くす

くす笑う。

このみは

踏まれたみたいに、

ぎゅっと縮まって、

顔を赤くしている。

「見せてよ」

いっぱいけなしてあ

げる。そう聞こえる

ようなしつこい口調

。リップクリームを

ぬる唇にゆみはベッ

タリした笑みを広げ

ていく。

「描いてないよ……

そんなの」

か細い声で、否定す

る。柔らかそうな手

で、スカートを握り

しめている。泣きそ

うな、このみ。

「えー、じゃあアイ

ツ嘘ついてたのかな

ぁ。まじうぜぇ。ト

ンちゃんは正直者だ

もんね? 嘘つくわ

けないよね」

パチンッと鏡をしま

って、色つきリップ

をなじませながら、

にっこりする。