゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚ 夜の端 。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。゚。


「……いまいちね」

「じゃあ今から飛び

こんでみせるよ。体

を脱いでみせてあげ

る」

「ぶ! ひっ」

雷をうけたみたいに

叫んで自分にしがみ

ついたブタを見て、

くっくっくっ。

彼女は背中を丸めて

笑う。

「死ぬと思ってる?

あたしは人間じゃな

いから、死なないっ

てば」

「え……う、うん」

「じゃあ」

ふたたび身を乗りだ

そうとした少女を、

ぎゅうっと抱きしめ

る。痩(や)せてい

て、張りのない肩。

ブタは腕がずぶずぶ

沈んでいくように錯

覚した。低反発ポリ

ウレタンでも

抱きしめているみた

いだ。

「この川、意外に流

れが速いんだ。いく

ら妖精でも死んじゃ

うんじゃない?」

くっくっく。

低反発ポリウレタン

が笑っている。